2019/12/19
「謝恩の心」と「人間力」
2000年度高校奨学生 Kさん
「海に関わる仕事がしたい!」研究者を目指していた高校生の私は、今、海運会社に勤めています。財団で開催される講演会はいつもとても刺激的で、高校生の私の心の中に「信念が結果をつくる」という確信が生まれました。
2008年に入社し、7年間海上勤務を務めてから本社勤務となりました。陸上勤務となった翌年、解離性の脳梗塞となり、神経系の後遺症は残っていますが変わらず会社で働くことができて感謝しています。現在は、昨年新設されたチームで安全文化の醸成に努めています。船は様々な国籍の乗組員、多様な貨物・船種と、まさに「多文化」。職場兼生活の場でもある船上の事故や怪我をいかに削減できるか、多文化の現場に対し、どのように伝えたら想いが届くのか、日々模索しています。海難事故は、ヒューマンエラーが7割近くとも言われ、他業界のセミナーに参加したり考えたりする中で、最近感じることがあります。やっぱり「人間力」。日々改善提案が生まれてくる組織は強いに違いない。私は日々、心を整えて判断できているだろうか?「ありがとう」はきちんと伝えられているだろうか?小さな心がけや声がけで組織のモチベーションは変化し、成果物は変わってくるのではないか?
「謝恩の心」を大切にされる伊藤謝恩育英財団と出会うことができたことは、私にとって大きな宝です。講演会の場で熱く語ってくださった人生の先輩方が皆さん「信念」を貫いていらっしゃったように、私も目の前の課題に真摯に取り組むこと、そして「謝恩の心」を大切にして社会に世界に貢献する人生を生きたいです。